七転八倒ツーリングレポート

出発     
 毎日、ジメジメと梅雨空が続いている。雨の季節はライダーには最も敬遠される時期である。それでも、鹿児島では梅雨明け宣言がなされ、天気予報では明日にでも九州北部地方も梅雨が明けるということであった。
 梅雨が明けるとなるとすぐに旅心がうずきだす。天気予報を信じ、だいたいの目的地を決め荷物の用意をし、明日から一泊のツーリングに行くことに決める。
 行き当たりばったり、ほとんど本能と思いつきで行動する僕にはいかにもふさわしい。愛車CB250RS−Zは、日頃の汚れを身にまとったままである。

 5月19日土曜日、そのまますぐに出発というわけにはいかない。勤労青年は、昼までのお仕事を済ませなければならないのだ。これからの予定を考えながら机に向かっていると窓の外が暗くなりシトリ、シトリと雨が降ってくるではないか、ウムムムムッと一瞬こちらの心も暗くなりかけたが、どうせすぐに止むに違いないと希望的確信に身をゆだねるのであった。
 梅雨は絶対に今日明けると、個人的に納得しているので怖いものはなにもないのだ。

 しかし、一緒に行くはずだった従兄弟は、間際になって「僕、行けん。」と一方的かつ個人的にキャンセルしてきたので、やや盛り上がりと迫力に欠けるのは仕方のないことである。もちろん、放浪的ツーリストを自認する僕としては、それぐらいの事で計画を中止するわけにはいかないのだ。

 僕の、きわめて独断的な思い込みが効を奏したか、昼には天候は回復してきた。フムフムと大きくうなずきながら、荷物を積んで出発である。