夢みるこども基金学校

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地域に根ざした
バングラデシュの「夢みるこども基金学校」


個性的で優秀なこどもたち370人

 今年4月29日から5月6日にかけて、夢みるこども基金スタッフ5人がバングラデシュ・カラムディ村にある「夢みるこども基金学校」を訪問。1999年に学校が開校されて5年目となるが、こども基金スタッフがこの学校を訪問するのは初めてだ。

 カラムディ村は、首都ダッカから飛行機と車を乗り継いで4時間のところにある小さな村だった。車の窓から見渡す景色、全てが日本とまるで違う。四方に全く山がなく、どこまでも広がる空と地の境目―地平線。見るもの全てが新鮮で驚きの連続だった。

 畑しかない平地の中でひときわ高くそびえたつ白い建物。それが「夢みるこども基金学校」だった。バングラデシュの学校制度は、5・5・2年制である。この学校の生徒数は370人で、教師が14人、5〜17歳までのこどもたちが通っている。中には自宅から30キロ近く離れた子も遅刻することもなく毎日通っているということを知り、驚きと同時にうれしさを感じた。
▲バングラデシュにある「夢みるこども基金学校」

 前日に学校を下見に行ったところ、着いた途端にこどもたちが駆け寄ってきた。明日の歓迎の準備をしていたのだろうか。みんなこぼれるような笑顔で、手を差し出してくれた。驚いたのは、こどもたちの積極性だ。初対面の私たちに、物怖じもためらいもせず、我先にと英語で話しかけてきてくれた。そのこどもたちの顔を見ただけで、自分に自信を持って学んでいるのが分かった。

 5月2日の歓迎の日は、雲ひとつない晴天の日だった。学校の正門で車を降りた途端に、青い制服を着たこどもたちの花道が作られており、花束の歓迎や歌の歓迎、そして運動場には立派なステージが設置されていた。想像もしていなかったあまりの歓迎のすごさに、心底驚き感動した。向こうのテレビ局のカメラマンも来ていて、村を上げての一大イベントのようだった。

 私たちも壇上に上がり、一言ずつ挨拶をした後、こどもたちから日本とバングラデシュを結ぶ旗が贈られた。
 その後こどもたちは、40度近くもある猛暑の中、約2時間もの間、私たちのために様々なパフォーマンスで歓迎してくれた。

▲訪問団の歓迎会

 バングラデシュの国旗をかたどった組体操や、民族衣装を着た女の子の踊り、独特の楽器を使った演奏、ベンガル語での詩の朗読。小さな体を揺らしながら、歌っている姿がなんともかわいくて、温かいものがこみあげてくるのを感じた。劇なども言葉は分からないながらも、こどもたちの本格的な衣装や演技に目を奪われた。これだけの準備をするのに、一体どれくらいの月日を要したことだろう。こどもたちの純粋な思いに感動と感謝の気持ちでいっぱいだった。強く感じたのは個性的で、優秀な子の多さだ。勉強だけでなく、様々な面で秀ででいるこどもたちの才能がここにあった。こどもたちの劇や踊りにしても、司会にしても、大人は一切加わらず、こどもたちだけで作り上げた舞台の完璧さや本格さにただただ驚いた。

 日本の文化の紹介では、浴衣を着たり、童謡「ふるさと」を歌い、こどもたちは珍しい衣装や歌に、大きな目で興味津々といった様子で見ていた。

国内で注目される学校


 歓迎が終わった後は、校舎案内をしてもらった。開校当初は一階建てだった校舎も立派な三階建ての校舎となり、図書館や展示室といったものもあった。図書館には、こどもたちの授業の成果の展示などもあり、生き生きとしたこどもたちの授業風景が伺われた。校舎見学の後は、保護者との懇談会が行われ、保護者も教育熱心な方が多く、授業の様子や将来の進学などについての熱心な意見が多かった。まだ設備や学校運営については不十分なところも多く、問題も多く残されていた。

 何よりもうれしかったのが、この学校の全てのこどもたちが自分たちの学校を誇りに思っているということだ。こどもたちは私たちに、この学校の素晴らしさを伝えたいと言わんばかりに色々なところを案内してくれた。その名の通り、こどもたちだけでなく村全部の夢と希望をのせた学校だ。バングラデシュでも注目される学校になりつつあるという。そして、学校は「夢みるこども基金」に携わる全ての人たちの夢であるということも感じ、将来この学校からバングラデシュを担う人材が出てくるだろうと確信した。

教員養成学校としての高校、大学の増設も計画

学校は将来、教員養成学校として現在の小、中学校に高校、大学をつくることを計画している。ここで学んだこどもたちが、また次のこどもたちを育てていくのだ。

 真っ白な校舎は、まだ何も描かれていないこどもたちの無の純粋な心の象徴である。この真っ白な校舎に、こどもたちはどんな夢を描いていくのだろうか。そして、そのこどもたちの描く大きな夢をこれからも見守っていきたい。

 今回、バングラデシュに行って強く感じたことは「百聞は一見にしかず」ということだ。今までも基金学校の話は色々聞いてきたが、こどもたちの目の輝きをこの目で見たとき、自然と涙が頬を伝うのを感じた。いつの日か「夢みるこども基金」のイベントに、この学校のこどもたちも一緒に参加できる日が来るよう、努力していきたい。
      (第1回イベント参加  長尾 怜美)
▲ステージを見守るこどもたち

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