第3部

 直木賞作家の志茂田景樹氏による自作童話「まんねんクジラ」のスクリーンを使っての読み聞かせが始まった。声色を上手に使いながら時にはおだやかに、また時には激しく、情景にあわせて語る志茂田さんにこどもたちは絵本に吸い込まれるように見ていた。進行と同時にヴァイオリンとフラメンコギターの演奏も加わり、そこはまるで映画館さながらのすばらしい映像と音響の立体空間が作り上げられていた。
 志茂田氏は冒頭で「人間が笑う時は優しさや面白さを感じた時で、必ず好意と感動を兼ね備えていなければならない」と語り、改めて笑いの持つ意味の深さを感じた。
観客を喜ばせた志茂田景樹

 そのあと、先ほどの絵本に生演奏で音響効果を演出した山内達哉氏のヴァイオリンと池川史洋氏のフラメンコギターによるミニコンサートが開かれた。山内氏はヴァイオリンを弾きながら観客席に降り、こどもたち一人一人に音色で話し掛けるように会場内を一周した。初めて間近に見るヴァイオリンにこどもたちは興奮し、近くの親たちも優しい笑顔がこぼれステージと客席が一体化したひとときとなった。
山内達哉さんのヴァイオリンと池川史洋さんのフラメンコギター

 そして、こどもたちの登場。緊張した面持ちの三人のこどもたちが舞台に並んだ。題は「でっかい笑いが地球を回す」。原作は、今回最優秀賞の江田健太郎君が平松暁氏の監修のもと、何度も構成を練り直しながら書き上げたものだ。絵はこども会議メンバーが描き、読み聞かせは江田健太郎君、小國由紀子さん、松元宏美さんの3人が務めた。夏のイベントまでの間に幾度となく集まり、練習を重ね、すべてこどもたちの手で作り上げられた作品だ。またそこに、ヴァイオリンとフラメンコギターも加わり、奏でられる演奏にスクリーンの絵も命を吹き込まれたようにいきいきと鮮やかに映し出され、読み聞かせのこどもたちの声も高まりを増す。会場内はすでに絵本の世界に引き込まれていた。そして終始和やかな雰囲気の中、こどもたちによる読み聞かせは大成功だった。
 永井寛通さん率いる野和太鼓と野和子供太鼓の勇壮なリズムが会場を盛り上げた。
勇壮な野和子供太鼓


会場を埋めた観客