何とも言えない達成感
    長尾 怜美
 私は、今回の体験を通して次の三つのことを学びました。
 まず、一つは、障害そのものについてです。図書館から借りた何十冊もの本を読み上げながら、障害者自身、それをサポートする家族、施設の方々の努力と苦労。そして、障害そのものが問題なのではなく、それを取り巻く環境、つまり社会の物理的バリアや制度枠、そして私たち人間の心の持ち方が、最大の問題なのだということを知りました。さらに、こうして勉強し、知ることによって私たちの心や物の見方が変わったように、まず「知る」ということの大切さを痛感しました。
 次に、一つの大きなことを成し遂げるということの難しさです。私は、最初、小学校五年生のとき、このイベントに参加しました。渦の中にいて楽しさだけで終わりました。次に中学生のとき、渦の外から客観的に見ることができる余裕ができ、スタッフの方々の苦労を知り、感謝することができました。そして高校生となった今、実際に、今回実行委員として参加し、この渦を自分たちの手で、ゼロから回していくことを体験し、一言では、言い尽くせぬ色々な思いが湧きました。
こんなにもゼロから立ち上げていくことが大変で、なんと細々とした手作業の多いこと。自分たちが放課後の時間を割いてやったことがボツになるむなしさ。何度も投げ出したくなりました。でも、無事に終えた今、なんともいえぬ充実感、達成感に浸ることができました。これもあの苦労があったからです。
 三つ目は、一緒に作業を進めた、友達のありがたさです。学校では知りえなかった一面が見え、一人ひとりの個性が生かされました。行動・実践方の一人がアクセルなら、慎重・実直方の一人がブレーキとなり、その中間型の一人がハンドルを握り、私たち三人は中古車ながらも、実にうまく、ガタガタの道を走ってきました。途中、エンストして三人で押したり、ガソリンを補給して、心身ともにリフレッシュしたり、まさに田舎道を走る珍道中そのものでした。こども宣言にもある「みんな違ってみんないい」は、私たち筑紫女学園のキャッチフレーズですが、友達を通してこんなにこの言葉を実感したことはありませんでした。私はこの夏、このような三つの大切なことを学び、少しかもしれないが、目に見えない成長を遂げられたのではないかと思っています。最後にこういう貴重な体験をさせていただいたことに加え、私たち「実行委員会」のメンバーがくじけそうになったとき、やさしく励まし、頼りなくも黙ってじっと見守ってきてくださった多くのスタッフの方々に心から深く深く感謝致します。ありがとうございました。